研 究 報 告
管内壁付着粉体層の再飛散
Reentrainment of Fine Particles from a Cylindrical Powder Layer Adhering on a Tube Wall
増 田 弘 昭* 松 坂 修 二*
Hiroaki MASUDA Syuji MATSUSAKA
住 浦 康 弘*
Yasuhiro SUMIURA
1. 緒 言
気流 中 に 浮 遊 す る微 粉 体 を 取 扱 う例 は 多 い が,そ れ に
伴い種 々 の 問題 が 生 じて い る。 た とえ ば,浮 遊 粉 じ んを
サンプ リン グす る 空 気 流 が,あ る流 速 以 下 で あ れ ば,管
の内壁 に 粉 体 の 付着 層 を 形 成 す る。 また,集 じ ん装 置 の
空気流 が,あ る流速以上では,捕 集粉体が再飛散する。
これらの現象は,粉 体相互および粉体壁面間 の 付着 力
と,空気 流 に よ る 分 離 力 の 大 き さ とに 支 配 され る。 こ こ
で,付着 力の要 因 として,ロ ン ドン ・フ ァン ・デル ・ワ
ールス力6)
,付 着 時 の 接触 帯電7),処理 操 作 中 の静 電 帯
電の電 気 力2)および液架橋 力な どがあ り,それ ぞれ独 立
して研 究 が 行 な わ れ て い るが,実 際 の 付 着 力 は これ らの
力が相 互 に関係 してい る4)。このため,工 学的 に有用 な
データが 要求 され,流 体 力学 に基 いて粉体 の 飛 散 現 象
を明 らか に す る こ とは 有 益 であ り,幾 つ か の 報 告 も あ
る1,5,9)。 本研究では,微 粉体層の気流による再飛散に関
する実 験 を 行 な い,飛 散 開 始 流 速 を 求 め た 。 さ らに,空
気流中に固体粒子を添加した固気二相流を用いて,微 粉
体層か ら粒 子 を効 率 良 く飛 散 さ せ る実 験 を 行 な った 。
2. 実 験装置および方法
実験 装 置 の概 略 をFig.1に 示 す 。 試 料 粉 体 は フ ライ
アッシ ュ(試 験用 ダス ト10種,密度2.46g/cm3,質 量
中位径4.2μm)とタル ク(試験用 ダス ト9種,密度2.66
g/cm3,質 量 中 位 径4.0μm)で あ る 。 空 気 流 に 添 加 し
た固体 粒子 は砂(密 度2.65g/cm3,250μm以 上350
μm以下)お よび 試 料 粉 体 と同 じ フ ライ ア ッ シ ュで あ
る。
テス トチ ューブはFig.2に示 す よ うに,長さ100mm,
Fig. 1 Schematic diagram of experimental
arrangement
Fig. 2 Test Tube
内径10.0mmの真 ち ゅ う管
で あ り,重 力 の 影 響 を除 くた
め鉛 直 方 向 に設 置 した 。粉 体
は,テ ス トチ ュ ー ブ内 に外 径
5.8mmのガラス棒を固定 し,
テ ス トチ ュー ブを振 動 させ な
が ら円筒 状 に 充 て ん した。 充
てん率 φは,粉 体層容積 を
V0,粉体体積をVと する と次
式で表わせる。
φ=V/V0 … …(1)
また,粉 体 層 容 積V0,粉 体
体 積Vは それ ぞれ 次 式 で表 わ
され る。
V0=π(γ02-γ12)l
……(2)
V=W1/ρp … …(3)
こ こで,γ0は 粉 体 層 外 径(テ
ス トチ ュー ブ内径),γ1は粉体層 内径,lは 充 てんした
粉 体 層 の長 さ,W1は 粉 体 層 質 量お よび ρpは粉体密 度
で あ る。
昭和57年9月1日受付
*広島大学工学部 化学 工学科(〒724 東広島市 西条町下 見)
TEL 0824-22-7111
Vol,20 No.7 (1983) (3) 405