エコドライブの実践効果に関するシミュレーション研究 * Simulation Study on the Effects of Eco-driving* 増田智志 ** ・鈴木美緒 *** ・高川剛 **** ・屋井鉄雄 ***** By Satoshi MASUDA ** Mio SUZUKI *** Tsuyoshi TAKAGAWA **** Tetsuo YAI ***** 1.はじめに 地球温暖化が危惧される昨今,様々な分野において温 室効果ガスである二化炭素の排出抑制が求められてい る.とりわけ,我が国における自動車交通からのCO 2 出量は国内総排出量の17%にものぼり 1) ,排出抑制のため に様々な施策が検討・実施されている.中でも,自動車 利用者であるドライバーの意思や心掛けによって実践さ れるエコドライブ(表-1) 2) は,路インフラの整備や 改善の如何に関わらず実践出来ることから,その普及が 期待されている. 我が国のエコドライブを取り巻く環境に目を向けると, 貨物車等の業務用車両においては,トラック業界全体と しての取り組みの充実(環境基本行動計画等)に加え, 走行経費の削減等利点も多いことから積極的な普及が図 られている.業務用車両のドライバーは,企業管理者に より意識付けされその転が評価されるとともに,車両 に対し社費によって補助ツールが導入される等,エコド ライブが普及しやすい環境にある.一方で一般ドライバ ーに関しては,当事者のインセティブが小さい事や転 頻度の低さ,自分には出来ないという諦めや誤認,教育 機会の少なさや情報の混同,実践が当事者の意識に委ね られてしまう点等,未だエコドライブが普及しにくい環 境にあると言える.すなわち,現実の自動車交通におい ては,エコドライブ実践車が散在しているものと考えら れる. しかしながら,エコドライブも通常の転同様に他車 両との相互関係の中で行われるにも関わらず,通常とは 異なる転挙動と言えるエコドライブの実践が他車両に 与える影響に関して定量的に把握した例は少ない. また,エコドライブに関する既往知見を見るに,それ らは大きく4つに分けることが出来る.A) 教育方法や普 及方法に関するもの 3) B) 実践具合等の現状を把握したも 4) C)直接的な実践効果(実践車排出量)を対象とする もの 5) D)実践効果(実践車排出量)以外の副次的効果 に関するもの 6) ,の4分野に大別される.その中で,我が 国においては,C) に分類される知見が多数を占める.そ れ故に,その他の効果(副次的効果)や他車両への影響 に関した知見を得ていくことは,今後,更なるエコドラ イブの普及をめる上でも意義あるものである. そこで本研究では,エコドライブ項目の中でも転テ クニック面に着目し,周囲の自動車の影響を受けざるを 得ない市の一般において,エコドライブ実践車お よびその後続車を対象とした走行実験を行なう事で,エ コドライブ実践車による排出量という直接的な効果とと もに,それが周囲に与える影響を分析した. 2.DS概要と排出推計モデル 本研究ではエコドライブ実践データ取得にあたり,ド ライビングシミュレータ(DS)を用いた走行実験を行う. DSを用いるメリットとしては,実走行では得ることの出 来ない同一環境下における複数走行データを得ることが 出来ること,他車両との相互関係データを取得出来るこ とが挙げられる. * キーワーズ:地球環境問題,エコドライブ,エミッション, ドライビングシミュレータ ** 非会員,修( ) ,首高速路株式会社(新宿区西新宿 6-6-2Tel; 03-5320-1632Fax; 03-5320-1658 *** 正員,博( ) ,財団法人輸政策研究機構 (港区虎ノ門3-18-19Tel; 03-5470-8415Fax; 03-5470-8419 **** 非会員,シミュレーション・リサーチ・ラボ株式会社 (港区元赤坂1-7-10-2F, Tel; 03-5771-5533 ***** 正員,工博,東京工業大学大学院総合理工学研究科 (横浜市緑区長津田町4259 G310階, Tel; 045-924-561Fax; 045-924-5675 表-1 日本におけるエコドライブの定義 10の(※普及絡会の定義) 1.「 「 「 「e」 」 」 」 [さしい発 [さしい発 [さしい発 [さしい発(5秒で 秒で 秒で 秒で20km/h) 2.加減速の少ない転 加減速の少ない転 加減速の少ない転 加減速の少ない転 [車間距離に余裕持って定速走行 [車間距離に余裕持って定速走行 [車間距離に余裕持って定速走行 [車間距離に余裕持って定速走行] 3.早の 早の 早の 早の [の積極的利用 [の積極的利用 [の積極的利用 [の積極的利用] 4.    [駐停車時,信号待ち時間等 [駐停車時,信号待ち時間等 [駐停車時,信号待ち時間等 [駐停車時,信号待ち時間等] 5.使用控えに 6.暖機転切に [暖気の必要性は寒冷地の] 7.路交通情報の活用 [計画的な転で余計な転減す] 8.の空気圧こに 9.不要な荷物積ない 10. 駐車場所に注意す [渋滞の原因になない] 転に関項目 知識意識に関項目