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June 2019 Volume 26 Number 5
C NSCA JAPAN
Volume 26, Number 5, pages 46-53
ゲームの修正を用いた青少年の
有酸素性能力向上とスキル獲得
Modifying Games for Improved Aerobic Fitness and Skill Acquisition in Youth
John Cronin,
1, 2
Ph.D. Craig Harrison,
1, 3
Ph.D. Rhodri S. Lloyd,
1, 4
Ph.D., CSCS*D Michael Spittle,
5
Ph.D.
1
AUT Sports Performance Research Institute New Zealand, Auckland University of Technology, Auckland, New Zealand
2
School of Exercise, Biomedical and Health Science, Edith Cowan University, Perth, Australia
3
AUT Millennium Athlete Development, Auckland, New Zealand
4
Youth Physical Development Unit, Cardiff Metropolitan University, Cardiff, United Kingdom
5
Institute of Sport, Exercise and Active Living (ISEAL), Victoria University, Melbourne, Australia
とははるかに少ない(49)。しかし、ス
キル獲得が青少年スポーツにおけるパ
フォーマンスや選手の育成に果たす役
割はきわめて重要である(47)。スキル
獲得において、多様な試合および練習
環境に接することはエリート選手の育
成過程に有益であることを示すエビデ
ンスが増えており(4,44)、それによっ
て選手は、練習において特異的なゲー
ムベースの課題を経験する機会が得ら
れる(46)。とはいえ、単純にMGに参
加するだけでは、体力とスキルの効果
的な向上には不十分であり、基礎とし
てトレーニングにおけるゲームの修正
を適切に行なう必要がある(19)。そこ
で本稿では、MGのアプローチを用い
た青少年アスリートの体力とスキルの
向上を、制約主導の観点(Constraints-
led perspective)とゲーム感覚(Game
sense)の枠組みに基づいて考察する。
その上で、特定のスキルや有酸素性能
力の向上に影響を及ぼす実際的なMG
の例を提示する。
要約
修正されたゲームは、試合の技術
的および戦術的要素を組み合わせ、
そこに適切な身体的負荷を加える
ことで、青少年アスリートが有酸素
性能力を強化し、同時に技術的能力
向上の貴重な時間を蓄積するのに
理想的な環境となりうる。さらに、
修正されたゲームは、選手が大きな
身体的負荷の下で意思決定および
問題解決スキルを向上させる機会
となり、このような要素は長期的な
選手育成の成功に重要である。本稿
では、修正されたゲームのアプロー
チを用いて、青少年の有酸素性能力
とスキル獲得の最適化に重要と考
えられる各種の制約について議論
する。
序論
修正されたゲーム(Modified game:
MG)とは、ルール、プレーヤーの人数、
プレーエリア、および用具といった課
題の制約を修正または操作すること
で、それらの競技特有の課題を、構造
的かつ選手の発達に見合ったゲームを
通じて経験させるものである。ジュニ
ア競技では、従来の正式な試合の代わ
りにMGを実施して参加度や能力の向
上を促したり、身体、技術、および戦術
的能力を強化するトレーニングの一形
式として用いることが可能である。実
際、MGをスキル獲得のためのトレー
ニングとして利用することが増えつつ
ある。MGによるトレーニングがもた
らす利点として提唱されているのは、
体力、スキル、および戦術の各要素を
同時に強化できるため、トレーニング
の全体量を抑えて時間効率を高められ
ることである(9,29)。
MGの生理学的要素については多く
の研究がなされる一方、スキル獲得な
ど、その他の強化要素が注目されるこ
Key Words【選手の育成:player development、制約:constraints、少人数ゲーム:small-sided games、ゲームセンス:games sense】