井深大先生との対談
●井深対談
「1200 万人のアイデンティティー」(1) 家族の中に民族の歴史が・・・
井深 先生のご本『ユダヤ人はなぜ優秀か』を早くに知っていたら、『0 歳』
の本を出す時に良 かったのにと、ちょっと残念に思って・・・。日本の、昔
の論語の素読より、ユダヤ式丸暗 記のほうが直接的だと。
手島 私は、 もっと子供たちに小さい時から素読を勧めたいと思うんです
ね。当用漢字だとか何 かで漢字を制限したために、能力自体も制限してしま
ったと思うんです。
井深 制限絶対反対なんですよ、私は。要素としては小さい時にいっぱい
与えておいて、その後、 自分自身でその解釈ができるように教育されるべきだ
と思うんです。だから、最初のエレ メントのインプットが大事。マナーであろ
うが、心の持ち方であろうが・・・。
手島 まず基本は、ともかく有無を言わさないで、覚えておいてもらわない
といけないわけです よね。
井深 そうなんです。信仰だって私はそうだと思うんです。手を合わせると
か、賛美歌を大きな 声出して歌うとか、お祈りをするとか、文句なしに繰り返
しで入れる。それはもう私に言 わせれば、生まれる前からということになるん
です。だから、その時のお母さんの指導の あり方如何なんですけどね。
特にユダヤの人たちというのはそういう観念が強いようで・・・。
いい習慣が、がちっと 決まっちゃっているようですね。
で、家族主義的なところや何かが、非常に儒教的な考えに似ているような・・・。
手島 儒教的という言葉については、先生がどのようにお考えか存じませ
んけれども、多分にそういう伝統というものの上に立つ考え方。
井深 儒教的というのはね、かつての日本人が受けとめたような・・・ま
ず形の上から。
手島 そうですね。その意味では、まず形という基本が社会制度や習慣に
きちっとあって・・・。