ユネスコ・メディア情報リテラシ一教育
一日本における政策と実践の可能性-
Media and Inf ormation Literacy Education ofUNESCO:
百lePossibility ofPolicy and Practice in Japan
坂本旬
Jm Sakarnoto
法政大学
Hosei University
ユネスコは, 2008 年のパリ会議で,メディア・リテラシーと情報リテラシーを核にさまざまなリ
テラシーを統合した新しし、リテラシ一概念すなわちメディアf 静民リテラシー概念を公表し,朝議
員研修用カリキュラムを公開した.さらに,閃ITWINMILI j}特訓IIL の設立により,世界的な普
及活動を行っている. 日本ユネスコ国内委員会および文科省は, ESD を中心とした活動を行って
いるため, MIL を回D に取り込む方向性を示している.今後, 日本の教育政策にMIL が取り入れら
れることによって,よりしりそうの教育の発展を期待することができる.
<キーワード> メディア・リテラシー,情報リテラシー,メディアf 青報リテラシー, UNESCO , ESD
1 .はじめに
本稿は,ユネスコのメディア情報リテラシ
ー(以下B 但Lと略す)教育を日本に導入する際
の政策的および実践的な課題について検討を
行う.
すでに和田正人,森本洋介,斎藤俊貝I J らは
「教師のためのメディア情報リテラシー・カ
リキュラムJ(以後 MILCTと略す)の概要紹
介と導入における実践的課題を検討し, MIL
概念理解を進めるための教員養成課程と現職
教師への研修の必要性とコア概念の一つであ
るリプレゼンテーションの検討を行っている.
彼らが「日本では乱宜L ,特に乱任A の領域の
理解が学校現場と研究者の両方で進んでおら
ず,その適切な理解が求められる J(和田他,
2015 , p.21) と述べているように,本格的な
l¥UL 教育研究はこれからであり,彼らの論考
は日本における本格的な理論的実践的研究の
端緒となったといえる.
-15 ・
本稿は,彼らの論考の成果を前提としつつ,
まず政策上の観点からこの問題について検討
を行い,次に今後のいくつかの政策的・実践
的可能性について整理したい.
2. ユネスコ MIL 政策の概要
ユネスコの E 但L は国連文明の同盟
(UNAOC) との共同プログラムとして推進さ
れている. その過程を概略しておこう.
ユネスコが初めてメディア教育の重要性を
指摘した文書がグリュンバルト宣言
(UNESCO , 1982) であることは周知のとおり
である .25 年を経て政府関係者やメディア教
育の教職員,研究者, NGO関係者が再び集
まり,新しい時代に即した運動の在り方を示
したのがパリ・アジエンダ(UNESCO , 2007)
である.ここには 4分野 12 の推奨すべき方
針が挙げられている.このアジエンダではま
だ,メディア・リテラシーも MILも用語と