【土木計画 学研究 ・論文集No.16 1999年9月 排水性舗装による温度上昇抑制効果に関する実験的研究* An Experimental Study about the Reduction Effect)of)Surface Temperature of the Porous Pavement 吉田 長 裕**・ 西 村 昂***・ 日野 泰 雄**** By Nagahiro YOSHIDA, Takashi NISHIMURA and Yasuo HINO 1.は じめ に 近年、環境問題の中でも、ヒー トアイ ラン ド現象の問題 が指 摘 され る こ とが少 な くない。 この原 因 として 、都 市部 にお けるエネ ル ギー消費 の増 大や 土地 の高度利 用 に伴 う都 市部 表面 の舗装 の増加 な どが挙 げ られ てお り1)、様 々 な評 価 方法 に よって 、そ の メカニ ズムの解 明 に取 り組 まれ てい るが2)、 自然環 境 下で の熱 環境 評価 は非 常に難 しい のが現 状 であ る。 著者 ら も、 これ まで に都 市表 面 の変化 に伴 う影 響 を把 握 す るた め、代表 的都 市 内地物 の表面 温度 を実測 し、 その変 動特 性 を分 析 して きた3)。 その結果 、夏 季 にお ける道 路舗 装 の表面 温度 が他 の地物 に比 べ て著 しく高 く、 これ が、表 面 温度 と密接 な関係 に あ る気 温 上昇 に大 きな影 響 を与 えて い るこ とが示 され た。 一方 、都市 面積 に 占め る道路 の 占有 率は年々増加 し、例えば大阪市では約20%に 達 している4)。 さ らに、 著者 らは 、近年施 工例 が急 増 してい る排 水性舗 装 の特性 に着 目し、 これが温 度 上昇抑 制効果 を有す る可能 性 が ある と考 え、試験 施工 部 におい て一部保 水効果 に よる 表面温度 低 下 を実 測で示 した5)。 これ は 、従来 のア スフ ァ ル トに比べ て空 隙率 が大 き く、保 水性 が あ り、熱 容量 が小 さいた め、熱 を放 出 しや すい特 性生に よるもの と考え られ る。 本 来、 この排水 性舗 装 は、若 干 コス ト高 で はあ るが 、通常 舗装 よ りも強 い強度 を有 し、そ の流 動性 の低 さと併せ て 、 車両の走行 性能を向上 させ るとともに、表-1に 示す よ うな 多様 な機能 によって6)、積極 的 に導入 が進 め られ てい る。 表-1 排水性舗装 の効果 そ こで、本研 究で は、これ までの研 究 を さらに進 展 させ、 よ り一般 的 な熱 特性 と して 、そ の効 果 を定量 的に把握 す る た め、舗 装材料 の種 類毎 に、気象 条件 を含 めた温度 変化デ ータを収集 ・分 析す るこ とを 目的 とした 。 そ の た め、 各 種 データを年間を通 じて連続測定中であ り、本稿では、平成 9年12月 か ら平 成10年12月 までの約1ヶ 年 に よ るデ ー タ を用 い た分 析 を 中 心 に検 討 した。 2.舗 装種別の表面温度変化の分析 (1)実 験概要 本実験では、通常舗装 と排水性舗装の熱特性の違いを把 握す るた めに、以下に示す よ うな3種 類の舗装材供試体(図 -1参 照)を 用 意 し 、 これ らに つ い て 同 一 の 自然 環 境 下 に お け る連 続 的 な 測 定 が 可 能 と な る よ う、 大 阪 市 立 大 学 工 学 部 C棟 屋 上(地 上6F)に 常 設 す る こ とに した 。 【供試体の種類 】 (1) 通 常 舗 装(50×50×5(cm))4枚 (2) 20mm排 水 性 舗 装(50×50×5(cm))4枚 (3) 13mm排 水 性 舗 装(50×50×5(cm))4枚 図-1 供試体の概 要 (2) と(3)の違 い は 、 骨 材 の粒 径 の違 い で 、 一 般 的 に粒 径 が 大 き い ほ ど走 行 性 能 の 向 上 が 期 待 で き 、粒 径 が 小 さい ほ ど 騒音低減効果があるとして施工 されている。供試体の作成 に 当 た っ て は 、 実 際 の 道 路 表 面 の排 水 勾 配 と同 様 にす る た め に 、 型 枠 に2%の 勾配 をつけ、また、底面 と側面には不透 水 シー トを敷 い て 供 試 体 外 へ の水 分 の流 出 を 制 御 す る こ と と した。 排 水 性 舗 装 供 試 体 の 空 隙 率 、透 水 係 数 は 、 舗 装 要 綱 に 定 め され た 基 準 値 を 用 い て 作 成 され て お り、 そ れ ぞ れ 15-20(%)、10-2(cm/sec)と な っ て い る6)。 但 用 い た 供 試 体 は 、概 ね そ れ に 準 ず る もの と し、別 途 の 測 定 は して い な い。 *Key words:環 境計画 、表面温度、排水性舗装、散水効果 **学 生員 ,工 修,大 阪市立大学大学院後期博士課程 (〒558-8585大 阪市住 吉区杉 本3-3-138TEL/FAX(06)605-2731) ***フェロー ,工 博,大 阪市立大学工学部土木工学科教授(同 上) ****正 員 ,工 大阪市立大学工学部土木工学科助教授(同 上) ―443―