レー の放 射 X 線 利用 X 線 リ ソ グ ラ フ ィ ー とX線 顕微鏡 小山 和 義*・ 富 江 敏 尚*・矢 野 雅 昭* (昭和61年7月5日 受 理) X-ray Lithography and X-ray Microscopy Using a Laser-Produced Plasma Kazuyoshi KOYAMA, Toshihisa TOMIE and Masaki YANO (Electrotechnical Laboratory, Tsukuda Science City, Ibaraki, 305 Japan) (Received July 5, 1986) 1. は じめ 近 年,電 子 回路 の高 集 積 化 が 進 行 し,材 料 開 発 や生 物 学や医学における計測技術の高度化が要求されるように な った こ と に伴 い,X線 利 用 の 研 究 が 急 速 に進 み つ つ あ る. X線 の利用で現在最 も注 目されているものに高集積 電子デバイス一括大量転写のためのX線 リソグラフィ ー技術1)がある .従 来 と同 じ位 の 速 さ で高 集 積 化 が進 む と仮 定 す れ ば,西 暦1991年 に は,最 小 線 幅0.5μmの 工技術 を使 って1チ ップ16メガ ビッ トのメモ リが生産 さ れ る こ とに な ろ う2). この よ うな微 小 線 幅 の 転写 は,現 在 広 く利 用 され て い る光 リソ グラ フ ィーで は 波長 が長 い た め 回折 効 果 が 大 き く困難であ ると言われ ている2).光に比べて波長が短い X線 を 利 用 す る こ とに よ り最 小 線 幅0.5μm以 下のパタ ー ンの 転写 が可 能 と な る .高 速 で 転写 で き処 理 能 力 を上 げ るた め に は,X線 源 は十 分 に強 力 で あ る必 要 が あ る. 顕 微 鏡 の光 源 にX線 を 用 い る と,波 長が短いため 高 分 解 能 が 得 られ,(2)試 料の構成原子の差を利用するの で染 色 等 の処 理 を しな くて も特 定 の 元 素 を選 ん で 高 い コ ン トラス トの像が得 られ る,(3)吸 収係数が電子線に比べ て小 さ い の で ス ライ ス 等 の 細 工 を 施 す こ とな く1μm程 度 の厚 さの 試 料 の 内部 を観 察 で き る,(4)試 料を真空中に 置 く必 要 が な い こ と等,優 れ た 性 能 の顕 微 鏡 を 作 る こ と が 可 能 と な る.パ ル スX線 源を用いることにより瞬時 観 察 が可 能 と な り,ト ラ ン ジ ェ ン トな状 態 も観 察 で き る よ うに な る. プ ラ ズ マ を用 い たX線 源は他の線源より小型で高輝 度にな り得 る.な か でも レーザ ー生成 プラズマは ピンチ プラズマに比べてプラズマの密度が高くパルス幅が短 く 輝度が高い.プ ラズマの温度を制御することは比較的容 易 で あ り,プ ラ ズ マ源 と して あ らゆ る 材料 を使 用 で き る た め,約10A以 上 の 波 長 範 囲 に お い て,あ る程 度 のX 線波長選択が可能である等の特徴がある.レ ーザー生成 プ ラ ズ マ は 点 光 源 とみ な せ る位 の 小 さ な 空 間 か ら強 力 X線 を放射することが可能であ り,X線 リソグラフィ ーやX線 顕 微 鏡 の 光 源 と して 有 力 な候 補 の一 つ で あ る . ここでは比較的小型で高輝度短パルスのX線 源 と して の レーザー生成プラズマの特性 とそれを用いたX線 ソ グ ラ フ ィー,X線 顕 微 鏡 やX線 反 射 鏡 に関 して 述 べ る. 2. レ ー ザー 生 成 プ ラズ マX線 レー ザ ー生 成 プ ラ ズ マ か ら のX線 放射に関する研究 は,レ ー ザ ー核 融 合 やX線 レー ザ ーの 研 究 か ら始 ま っ た.し か し,そ こで使われた レーザ ーはエネルギーやパ ワーは 非 常 に大 き いが,規 模 が 大 き く運 転 に は30分以上 の間 隔 を 必要 と し,実 用 には 不 向 きで あ る.一 方,繰 返 しを 上 げ るた め に 小 型 のYAGレ ーザ ー を用 い た実 験 も あ るが,X線 量が少ない.近 年エキシマーレーザー * 電子技術総合研究所 (茨城 県 新 治 郡 桜 村 梅 園1-1-4) 第 29 第 11 号 ( 1986 ) ( 1 ) 529